秋の曜日の言葉
装道創始者 山中典士
全日本きものコンサルタント協会の協会報に掲載しました「秋の曜日の言葉」をご紹介します。
Sunday |
「道」の追及に終着点はなし 仕事でも、学問や芸術でも同様、私たちの装いの道に、「もうこれでおしまい」という終着点はありません。古来、向上心を持って努力することを、修業(修行)と呼びました。そしてその理想形を「道」として追求したのです。怠らずに励むことで、確固とした実力が養われるのです。 |
Monday |
きものの独創性 わが子を独創的な人間に育てたいと願う母親が、増えています。以前の日本には、きものを代表とする、欧米にない、きわめて独創的な文化がありました。戦後、欧米社会を目標にしすぎた結果、皮肉にも、日本人から独創的な発想が希薄になった感がいたします。装道の活動を通して、きものの独創性を広めましょう。 |
Tuesday |
秋の夜長に思う 現代の日本人は、朝晩の通勤電車の中で、大人も子供もスマホ画面に釘付け。文庫本を手に読書をする姿は、あまり見かけません。「灯火親しむ秋」といわれ、秋の夜長は、読書にもっとも適した季節です。活字に触れる喜びは、経験すればするほど深まります。豊かな情緒が体得でき、質の高い思考を養います |
Wednesday |
人には親切に応対する 人は誰でも、親切に応対されると嬉しいものです。買い物をするために入った店で、気持ちが良いほど朗らかに「いらっしゃいませ」と迎えられるのと、そうでないのとでは、こちらの気分も大きく異なるでしょう。人に好感を持たれるために、自分が「して欲しい」ことを、相手に与えましょう。 |
Thursday |
稔りの秋に思ふ 収穫の秋です。全国の田んぼで、金色に稔った稲が刈り取られる光景は、四季を彩る美しき日本の風物詩です。「稔るほど頭を垂れる稲穂かな」とは、真の人格者はけっして傲慢にならない、という格言です。人の上に立つ指導者ほど、謙虚な心で社会に奉仕する姿勢が肝要です。 |
Friday |
きものは幸福の衣服 澄み切った秋の空気に、艶やかなきもの姿は良く映えます。きものは経(=縦、陽)糸と緯(=横、陰)糸を、結び(生す霊)の原理で合せた幸福の衣服です。また、きものは礼の心を培い、品格を高めます。和装がふさわしい集いの場には、積極的にきもので参加して、晴れ晴れしい雰囲気を演出したいものです。 |
Saturday |
その人の「良いところ」を観る 人間同士がより良く付き合い、協力し合っていくには、第一印象でのマイナスの思い込みを排除することが肝要です。他人の欠点ばかりを捉えてしまうのは、自分の了見の狭さにも原因があります。その人の「善いところ」に着目し、和やかな心で接すれば、協力し合える仲間も増えていきます。 |